空室クリーニングは、作業が終わった時点で終わりではありません。入居者に鍵を渡す前に、管理会社の側で仕上がりを確認する「検収」の工程があって初めて、物件として募集・引渡しができる状態になります。ここでは、仙台市内で複数の空室を管理している担当者を想定し、検収で見る順番と、指摘の伝え方を整理します。
検収を担当者任せにしない理由
退去から入居までの期間が短い時期は、現地確認を後回しにしたくなります。しかし、入居直前に汚れや拭き残しが見つかると、再清掃の手配と入居日の調整が同時に発生し、結果として手間が大きくなります。検収を「完了報告を受けたら必ずその日のうちに行う」と決めておくだけで、手戻りの多くは減らせます。
また、検収の基準が担当者ごとにばらつくと、同じ業者に対しても指摘の内容が毎回変わり、業者側も何を直せばよいのか分からなくなります。見る箇所と順番を社内で揃えておくことが、業者との信頼関係にもつながります。
検収で見る順番の基本
玄関から奥へ、上から下へという動線で見ると、見落としが減ります。おおまかな順番は次のとおりです。
- 玄関まわり: 靴箱の内部、ドア枠、床の砂ぼこり
- 居室: 照明器具、窓サッシのレール、フローリングの隅、クローゼット内部
- キッチン: シンクの水垢、排水口、換気扇まわり、コンロ周辺の油汚れ
- 浴室・洗面・トイレ: 鏡の水垢、排水口の髪の毛、便器のふちの裏、床の目地
- ベランダ: 排水溝の落ち葉や砂
照明をつけた状態だけでなく、窓からの自然光で床を斜めに見ると、拭き跡や残ったほこりが分かりやすくなります。水回りは実際に水を流し、排水の流れと臭いも確かめます。
清掃の範囲外のものを分けて記録する
検収では、清掃で直るものと、清掃では直らないものを分けて見ることが大切です。たとえば、クロスの黒ずみや浴室ゴムパッキンの変色、フローリングの傷は、洗浄しても元に戻らない場合があります。これらは清掃の不備ではなく、原状回復工事や設備交換の判断が必要な項目です。
境目の考え方は、当サイトの空室クリーニングと原状回復工事の境界線でも整理しています。検収の段階で「清掃で改善済み」「清掃では限界があり別対応が必要」を写真付きで分けて記録しておくと、費用区分の説明もしやすくなります。
指摘は写真と場所で具体的に伝える
不備が見つかったときは、「汚れが残っている」とだけ伝えるのではなく、次の3点をそろえて連絡します。
- 場所: 例として「浴室の排水口まわり」のように、部位まで特定する
- 状態: 何がどう残っているのかを写真で添える
- 期限: いつまでに再確認できる状態にしてほしいか
写真は、全体と近接の2枚があると業者側も判断しやすくなります。連絡手段を電話だけにせず、文面でも残すと、後日の確認にも役立ちます。
再清掃の取り決めを事前に決めておく
再清掃が必要になったとき、費用の扱いを毎回協議していては時間がかかります。発注の時点で、仕様に含まれる作業の不備であれば手直しの範囲で対応する、仕様外の追加依頼であれば別途見積りとする、といった線引きを共有しておくと、検収後のやり取りが短く済みます。仕様書の書き方については、定期清掃の仕様書はどう作る?も参考になります。
検収記録を次の発注に生かす
検収の結果は、物件ごとに簡単な記録として残しておきます。どの物件のどの箇所で指摘が多かったかが分かれば、次回の発注時に重点箇所として伝えられますし、業者の見直しを検討する際の材料にもなります。空室クリーニングの発注や検収の進め方でお困りの管理会社様は、さくらクリーンの問い合わせページからご相談ください。
