共用部清掃の責任範囲がわかりにくい理由
オフィスビルやテナントビルにおいて、「共用部の清掃は誰が担当するのか」は意外と曖昧になりがちなテーマです。エントランス、エレベーターホール、共用トイレ、廊下、階段といった共用部は、特定のテナント一社だけが使用する場所ではないため、清掃責任の所在があやふやなまま放置されているケースが見られます。
一般的には、ビルの管理会社(オーナーから管理を委託されている会社、または自社ビルであれば管理部門)が共用部の清掃を清掃業者に発注し、その費用は共益費・管理費としてテナント各社から徴収されるという構造が多く採用されています。一方で、専有部(各テナントの執務スペース内)の清掃は、各テナントが個別に清掃業者と契約するのが基本です。この専有部と共用部の境界線について、テナント側の担当者が正しく理解していないと、「なぜ自分たちのオフィス内は清掃されないのか」といった誤解が生じることがあります。
管理会社・テナント・清掃業者、それぞれの役割
共用部清掃に関わる主体を整理すると、次のように役割が分かれます。
- ビルオーナー・管理会社: 共用部清掃の仕様(範囲・頻度・時間帯)を決定し、清掃業者と契約する。テナントからの共益費で清掃費用をまかなう
- 清掃業者: 管理会社との契約内容(仕様書)に基づき、共用部の日常清掃・定期清掃を実施する
- テナント企業: 専有部内の清掃については別途自社で手配する。共用部で気になる点があれば管理会社を通じて相談する
テナント企業の総務担当者としては、入居時の契約書や重要事項説明の中で、共用部清掃がどのような頻度・範囲で行われているかを確認しておくと安心です。特に、入居後にオフィスのレイアウト変更や増床があった場合、専有部と共用部の境界が変わることもあるため、その都度確認しておくことをおすすめします。
共用部清掃でよくあるトラブルと相談先
共用部清掃に関するトラブルとして多いのは、「共用トイレの清掃頻度が足りない」「エントランスの床が滑りやすく感じる」といった清掃品質に関する不満です。これらは本来、管理会社を通じて清掃業者にフィードバックする形が適切な相談ルートになります。テナント企業が個別に清掃業者へ直接要望を伝えても、契約上の発注者は管理会社であるため、対応が反映されにくいことがあります。
また、自社ビルを保有している企業の場合は、管理会社を介さず自社で直接清掃業者と契約するケースもあります。この場合は、共用部と各フロアの専有部を一体の仕様書として整理し、清掃範囲の抜け漏れがないようにしておくことが重要です。テナントが複数入居しているビルであれば、各テナントの専有部の範囲を明確にしたうえで、共用部の清掃仕様を別建てで管理すると運用がしやすくなります。
契約書・重要事項説明での確認ポイント
テナントとしてビルに入居する際、共用部清掃の内容は賃貸借契約や重要事項説明の中で共益費の内訳として説明されることが一般的ですが、具体的な清掃頻度や作業範囲まで細かく記載されていないケースも少なくありません。入居前や契約更新のタイミングで、次のような点を管理会社に確認しておくと、入居後の認識のズレを防ぎやすくなります。
- 共用部の清掃は日常清掃・定期清掃それぞれどのくらいの頻度で行われているか
- エレベーターホールや階段など、テナントが日常的に利用する箇所の清掃状況
- 共用部で不具合や汚れが気になった場合の連絡窓口はどこか
- 共益費に含まれる清掃費用の範囲(専有部は含まれないことが一般的)
これらを把握しておくことで、入居後に「共用部の清掃状況に不満があるが、どこに相談すればよいかわからない」という状態を避けやすくなります。
清掃品質を安定させるための考え方
共用部は不特定多数の人が出入りする場所であるため、清掃品質がそのままビル全体の印象や、テナント従業員・来客の快適さに直結します。清掃頻度や作業内容を一度決めたら終わりにせず、季節や利用状況の変化(来客が増える時期、雨の日の床の汚れなど)に応じて仕様を見直すことも有効です。
仙台市内でビルの共用部清掃や、専有部を含めた一括での清掃体制の見直しを検討されている管理会社様・オーナー様は、現地の状況を踏まえたご提案が可能です。まずはお問い合わせフォームから、共用部の清掃範囲や現状の課題についてご相談ください。
